9.CD聞き比べ(各種リマスター版)
  手持ちのCDには元の録音は同じながらマスタリングの違うもの(リマスター版)があり
  ます。そこで聞き比べをして見ました(あくまで私の聞いた感じを書いたものですが)。

 平成15年6月22日「4.Pink Floyd:The Dark Side Of The Moon」を追加しました。

  未だ幾つかありますので順次ご紹介させて頂く予定です。

1.Art Pepper:Meets The Rhythm Section


a.Analogue Ploductions (CAPJS 010) by Doug Sax 写真左上
  このCDは長岡 鉄男氏,江川 三郎氏(私が記憶している限りでは)が批評を書かれて
  おられるのでご存知の方も多いと思います。尚、同じ型番でマスタリングを行った人の
  違いで2種類の盤が出ています。両方とも金蒸着盤です。1957年録音。

  明るく温かみのある音が最大の特徴と思います。シンバルも華やか。聞いていて楽しくな
  る音です。フォーカスの甘い写真のような処があるので、恐らくxrcd盤の方が音とし
  ては良いのだと思いますが、私はこの盤の方が好きです。

b.Analogue Ploductions (CAPJS 010) by Bernie Grundman 写真右上
  音が整理されて正確に出てくる感じ。そのせいかハイスピードで音が出てくるように聞こ
  えます。Doug Sax盤とは全然違う音。Doug Sax盤はマスタリングに真空管を使った機器を、
  Bernie Grundman盤 はトランジスターを使った機器を使用しているとのこと。まさにその
  通りの音の印象です。

  又、CDにはDoug Sax氏とBernie Grundman氏の写真が載っているのですが、その風貌は
  それぞれの盤の音から受ける印象と一致しているように見えます。不思議!

c.ビクター エンタテイメント(VICJ-60087) 写真下
  高音質で有名なxrcd盤です。音は正確、bは整理されすぎているように感じますが、
  こちらの方は正にその通りと言う感じ(あくまで感じですが)。情報量が多く、低音の
  量感も3枚の中では一番。
  
2.KING CRIMSON:IN THE COURT OF THE CRIMSON KING


a.EG Music Inc.(BMI)(EGCD 1) 写真左
  キング・クリムゾンのデビューアルバム。1969年10月12日発売。プログレッシブロックの
  超名盤。

  この盤の音は、遥か昔に聞いたアナログ盤の音の記憶と同じです。bに比較すると情報量が
  少なく向こうが良く見える感じ。音も硬いように聞こえます。

b.ポニー キャニオン(PCCY-01421) 写真右
  24bitデジタルリマスター盤、日本盤のみ金蒸着盤、紙ジャケット入りのCD。

  音場の広いのにビックリ、「クリムゾン・キングの宮殿」では天井一杯に音が広がる感じ。
  情報量が多く、音がクリアー。但し、これはaに比べての話。もともと優秀録音盤云々など
  と言う話題の範疇に入る盤ではないと思います。只、改善度は極めて大。ロックが好きな私
  にとっては買って得した一品でした。因みに税込み2,415円。


3.Sonny Rollins:Way Out West


a.ビクター エンタテイメント(VICJ-23532) 写真左上
 要するに普通に売っているもの。直接音(正確な表現ではないと思いますが)だけで、硬い
 音。とても高音質盤のネタになるような録音とは思えないのですが。1957年録音。

b.Analogue Ploductions (CAPJS 008) by Doug Sax 写真右上
  「1.Art Pepper:Meets The Rhythm Section」と同じレーベルから出ているCDです。
 只、こちらの方がfレンジは広いように聞こえます。温かみのある音でややソフトタッチ。
 低音はもう少し締まりが欲しい感じ。と言ってもaの「普通に売っている」のとはえらい違
 い。本当に元は同じ録音なのかと思ってしまいます。

c.Analogue Ploductions (CAPJS 008) by Bernie Grundman 写真左下
  力強くカッチリした音。低音は締まった上で量感もあります。カッティングレベルも高い
 ように聞こえます。私は4枚の中で一番この盤が好きです。

  
d.ビクター エンタテイメント(VICJ-5080) 写真右下
  「20bit K2スパーコーティング」によるCDですが、xrcd盤ではありません。紙ケース
 入り。
 正確な音と言う感じ。整理されすぎておらず、細かいニュアンスも出ているように思いま
 す。只、低音の量感は4枚の中で一番少ないように思います。

 尚、「The Rhythm Section」,「Way Out West」ともxrcd24盤が発売になったようで
 す。「ストレオ2003年5月号」(音楽之友社)に記事が出ていました。


4.Pink Floyd:The Dark Side Of The Moon


a.Capitol Records,Inc.(CDP 7 46001 2)輸入版(以下オリジナル版とします) 写真左上
  ビルボード・アルバム・チャートのトップ200に741週(1年52週として14.2年)
 チャート・インしたと言う怪物アルバム。全世界で3000万枚以上の売上を記録している
 とのこと(東芝EMIのピンク・フロイド・オフィシャルサイト http://www.toshiba-emi.co.
 jp/pinkfloyd/)。英国で1973年3月24日発売。これもプログレッシブロックの超名盤。
 (注)手元にあるCD付属の解説では750週チャート・インしたとありますが、ここでは
    東芝EMIオフィシャルサイトの記載に従いました。

  このCDは写真右上の『「狂気」発売20周年記念・スペシャル・パッケージ』盤と音を
 比較する目的で購入したものです。と言うのはスペシャル・パッケージ盤には「英国EMI
 最新リマスタリング・マスター使用」と書いてあったので、リマスター盤と比較する非リマス
 ター盤(オリジナル版)として購入したのです。

 この盤の音は普通の音です。学生の時は友達からLPをかりてカセットテープに録音したもの
 を聞いていたので(テープはフェリクロを奮発、と言っても若い人は知らないでしょうが)、
 本当のアナログの音は分かりません。かすかに記憶のあるカセットテープの音よりは鮮明と
 思いますが。

b.東芝EMI(TOCP-7776)(以下ボックス盤とします)写真右上
  上に書いた『「狂気」発売20周年記念・スペシャル・パッケージ』盤です。紙の特製ボックス
 入り、ポスト・カード5枚付き。

  買って来て直ぐに上のオリジナル盤(非リマスター盤のつもりで買った)と聞き比べて見ました。
 しかし、何回聞いても違いが分かりません。やっぱり自分の耳では聞き分けられないのかと思って
 ふとオリジナル盤のCD表を見ると『Digital Remasters』と書いてあるではありませんか。
 よって、オリジナル盤とこのボックス盤は入れ物(ケース)は違うが中身は同じと言う結論。多分。
 今回改めて聞き比べましたが、やはり違いは分かりませんでした。

c.Mobile Fidelity Sound Lab(UDCD 517)  写真左下
 金蒸着盤(ゴールドCD)。聞いた瞬間、カッティングレベルが低いと感じました。又、Dレンジ、
 fレンジとも狭く聞こえます。又、なぜか聞き比べた4枚の中で一番テンポがゆっくり聞こえま
 した。

d.EMI Records Ltd.(7243 5821362)輸入版 写真右下
 スーパーCDと(普通の)CDのハイブリッド盤。税込み2,299円で買った輸入版。これは
 お買い得。ではないでしょうか。

 スーパーCDプレーヤーは持っていないのでCDとして試聴。
 聞き比べた中で音はやはりこれが一番。情報量が多く、エッジの立った音が印象的。Dレンジ、
 fレンジとも4枚の中で一番広く聞こえます。又、なぜか一番テンポが早く聞こえました。

 そこで4枚のf特を採って見ました(1トラック Speak To Me,Breathe In The Airの約4分間)。
 こちらをご覧下さい(f特写真)。

 オリジナル盤とボックス盤のf特はやはり同じ。ハイブリッド盤とも良く似ていますが、ハイブ
 リッド盤の方がレベルが全般にやや高いようです。又、高音も極僅かながら伸びているようにも
 見えます。金蒸着盤(ゴールドCD)は30Hz付近のレベルが他の周波数に比較して高いようです。


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