17.スピーカーのインピダンスを測る
 スピーカーのインピダンス特性を簡単な方法で測定してみました。
 正確にはインピダースそのものではなく、インピダンスカーブですが。

 基本的には故 長岡 鉄男氏がスペアナで測定していた方法と同じです。
 只、ここではスペアナではなくデジタルテスターを使います。

a.どうやって計るか  下の図のやり方です。スピーカーと直列に固定抵抗Rを接続、スピーカーのインピ  ダンスに対してRを十分大きくすれば、スピーカーに流れる電流はほぼ一定となる  はずです。  とするとオームの法則V=IRで、今の場合、Iが一定なので、スピーカーの両端の  電圧はスピーカーのインピダンスに比例したものとなるので、この電圧を測れば  スピーカーのインピダンスが分かることになります。  ところで、固定抵抗は大きいほど正確になるはずですが、余り大きくするとスピーカー  への入力が小さくなってしまいます。長岡 鉄男氏は200Ω位がいいところでは  ないかと書かれています。私は120,150,180,200Ωで試して見ましたが、  極端に違いの出るようなことはなかったので、200Ωを使いました。


b.実際に測定してみる  デジタルテスターと抵抗Rとしてセメント抵抗200Ω(20W)を用意します。  次にCDプレーヤーに「AUDIO TEST CD-1」(YDDS-2 日本オーディオ協会)をセット。  このCDのトラック8〜38に録音されている20Hz〜20KHzの正弦波を順次  再生、各周波数毎にスピーカーの両端に発生する電圧をデジタルテスターで測定します。  測定したデータを表計算ソフトに入力し、縦軸(電圧)を対数目盛にして棒グラフを  描かせます。下の写真が測定している処です。


C.測定結果
今回はまず長岡氏設計のF-63(ダブルヘッダー) で測定してみました。 左の写真がF−63ですが、これは昨年(平成17年) 関西に単身赴任することになった際に、向こうで使う 為に作ったものです。



 下のグラフが、測定した電圧をグラフにしたものです。  stereo誌(音楽之友社)に掲載された製作記事にあるインピダンス特性と良く  似ていますが、高域にかけてインピダンスが低下している処が異なります。  製作記事のインピダンス特性は、高域にかけて緩やかに上昇しています。


 そこで、デジタルテスターの取扱説明書を見ると、測定範囲は50〜500Hzと  なっています。  試しにスピーカーの代わりに8Ωの固定抵抗をつないで、測定してみたのが下のグラフ  です。本来、グラフは一直線になるはずですが、1KHz位からインピダンスは低下し  始めています。


 それではと言うことで、固定抵抗の測定値を元に簡単に補正を加えたものが下のグラフ  です。一寸、広域でのインピダンスの上昇がきついように思えますが、まあ、大雑把な  傾向を見るには、こんなもんでも役に立つと思います。  尚、実際の測定値等は  インピダンス測定値・グラフ  をご覧下さい。


 同じようにD−101(FE108ESU+P108ADAPTER Ring)のインピダンス  を測定したのが下のグラフです。

VA(Visual Audio)に戻る

sungate HPのトップページに戻る