14.真空管アンプを作ってみる

1.手ごろな価格のキット発見
 以前からアンプを作って見たいと思っていたのですが、雑誌や本の回路図だけを
 見て組み立てる自信は全くなかったので、今まで挑戦してみたことはありませんで
 した。

 ところが、最近、若松通商のHPを見ていた時に、消費税込みで約2万円の真空管
 パワーアンプキットTU−870(株式会社 イーケイジャパン)を発見。
 この値段なら組み立てに失敗しても、まあなんとか諦めが付きそうです。
 そこで早速注文。

2.組み立てる


 送られたて来たものが上の写真。右側はグレードアップオプションの電源部に使う
 電解コンデンサーと熱い真空管に触らないようにする為のチューブ・プロテクタで
 す。通常こいつは別売りらしいのですが、若松通商ではセットで販売していました。

 使用する真空管は3極管と5極管が一本のガラスチューブに入っている複合管
 6BM8をチャンネル当たり一本使用(初段と出力段を一本の真空管で構成)。
 電源部には2極管ではなくダイオードを使っているので、厳密に言えばオール真空
 管構成とは言えないのかも。

 組み立てはキット付属の「組立説明書」にしたがって行うのですが、図を多く使っ
 た分かり易い内容なのと、回路の主要部分はプリント基板にまとめられているので
 どことどこを繋げば良いか迷ってしまうようなこともありませんでした。
 下の写真の左が部品の半田付けを終了したプリント基板。右がこれをシャーシーに
 組み込んだ処です。尚、プリント基板の左端にシャフト飛び出ているのが
 ボリュームです。



 多少、半田付けをやったことがある人なら組み立ては比較的簡単だと思いますが、
 電源,入力切替スイッチにコードを半田付けするのは狭い場所での作業になるの
 で一寸苦労するかもしれません。説明書ではシャーシーにスイッチを固定してか
 ら半田付けするようになっているのですが、私は半田付けをしてからスイッチを
 シャーシーに固定しました。
 
 まあ、でも大したことはないと思います。何せ私のような初めての人間でも出来ま
 したから。

 尚、今回最も私が困ったのは、コンデンサーに書いてある容量の数字が小さく
 て見えなかったことです。情けないことに、最近、年をとって老眼ぎみで細かい
 字が見えないのです。おかげで作業の途中で虫眼鏡を買いに行く羽目に。

 標準の組立時間は6時間となっていますが、私の場合は2日間かけて作りました。
 あせってやるとろくなことがないのは、スピーカー,パソコンの組み立てで、
 身にしみて感じているので。この点はベテラン!
 加えて言えば、途中で虫眼鏡なんかを買いに行ったので余計な時間が…


3.電源を入れて見る

 そして写真のごとく完成。
 電源ケーブルだけはキット
 付属のものよりやや太目のも
 のに変更。ついでにプラグも
 手持ちのホスピタルグレード
 (松下電工製)のものに変更。

 そこでまずは何も繋がないで
 恐る恐る電源オン。少し離れ
 た物陰から注意深く五感を
 研ぎ澄まし観察していました
 が、爆発したり煙を出したり
 はしていないようです。
 変な匂いもしません。近づ
 いてみると、真空管はほんの
 り赤くなっており、ヒーター
 にはちゃんと電気は来ているようです。


4.音を出して見る
 次に壊れても良いように(と言うより買い替えの口実が出来るので寧ろ好都合
 か?)入力にDVD、出力にサラウンドの実験でリアSPに使ったSPを繋ぎ
 電源オン(ダミー抵抗なんかなかったので)。暫くしても音が出ません。
 なんでだ? 何か間違えたか?
 でも直ぐにボリュームを絞り込んでいたことに気づきました。そこでボリュームを
 上げると、何と音が出るではありせんか。

 そこでメインシステムに入れて聞いてみることにしました。
 TU−870はメインアンプとは言うものの、ボリュームが付いているので、プリ
 は必ずしも必要としませんが、ここではプリ(ラックスマン C−8f)に接続し
 て試聴。TU−870のボリュームの位置はMAX。

 なかなかの音です。確かにメインシステムに比較すればレンジは狭く、細かい
 ニュアンスもでませんが、価格(約2万円)考えれば立派なものです。
 只、想像していたような真空管の音(温かみのある音)はしません。
 尚、TU−870の出力は2W+2Wしかありませんが、これで不足は感じません
 でした。スピーカー(長岡式 D−101)の能率が高いことも影響しているかも
 しれませんが。

 今度はプリを外してCDを直接TU−870に繋ぎ試聴。
 正直言ってプリを繋いだ時と全く違う音がします。原因はボリュームにあると
 想像されます。前のプリント基板の写真にある通り、ほんとに小さなボリューム
 でなんです。でもキットの価格からして当然でしょう。

 私には回路のことは分からないので何ともいえませんが、このキットをいじると
 すればボリュームの部分が一つの着目点になるのは間違いない気がします。


5.今後
 単に説明書に従い組み立てただけでしたが、音が出たと時はやはり感激しました。
 今度はもう少し難しいものに挑戦してみようと思います。


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